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嘉悦 勲; 伊藤 彰彦; 相根 典男*
J.Appl.Polym.Sci., 17(9), p.2753 - 2759, 1973/09
被引用回数:0アクリルアミド・アクリロニトリル等と硫酸・硝酸・りん酸等の無機酸の二成分混合系は、分子間相互作用が大きく安定な過冷却状態を実現する事実を見出し、これらの系の放射線重合及び発泡性につき研究した。これらの混合系はそのガラス転移温度(Tg)の組成依存性において典型的な二成分間相互作用型の特徴を示し、重合速度の温度依存性はガラス生成系の特徴である極大及び極小現象を示すことが認められた。アクリルアミド-尿素-硫酸系においては、照射中に重合と同時に発砲が起る事実が見出された。熱電対による追跡によって重合熱ポリマーの膨潤熱等により系の温度が上昇し尿素の分解温度及びポリマーの軟化温度以上に達していることが認められた。
嘉悦 勲; 伊藤 彰彦; 林晃 一郎*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 11(6), p.1141 - 1147, 1973/06
グリシジルメタクリレート(GMA)及びヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とガラス化性溶媒との二成分混合系の重合において、初期重合速度の温度依存性に及ぼす重合相の均一性の影響を研究し、重合相の不均一性が大きいほどガラス生成系の重合性の特徴である低温における重合速度の極小及び極大現象が消失し単純な変極点に変る事実を見出した。またGMA及びHEMAの均一相塊状重合における重合速度の温度依存性が重合率と共にどのように変化するかを検討し、ある重合率以上で重合速度の極小及び極大現象が消失して単なる変曲点に変ることを認めた。さらに重合初期よりポリマーの存在する系としてGMA-ポリメタクリル酸メチル(PMMA)系の重合を行い、重合速度の音素依存性における極小及び極大がPMMAの濃度の増加と共に消失して変曲点に変ってゆく事実を認めた。これらの諸事実を前報での速度論的研究の結果に基づき、重合速度に対する生長鎖の相互停止反応の寄与の減少と考えた。